商売を成功させるためには、季節や環境による制約を、そして他事業者の制約をうまく破る方法を考えましょう。自分だけでも思いこみから自由になればいいのです。つまり、制約を新たなチャンスととらえる視点が必要です。

 的屋、かき氷屋、スキー場の事例が示すように、単に「稼ぎ時」に集中するだけでなく、ビジネスモデルを拡張する努力が長期的な収益につながります。この考え方を応用すれば、現在の季節限定ビジネスにも新たな可能性が見えてくるでしょう。

 たとえば、冬場にもかき氷を販売する際には、単に「冷たい」という特徴を訴求するのではなく、「冬に食べるからこそおいしい」といった物語性や特別感を加えることが重要です。

 少しわざとらしさもあるのですが、それくらい発想を突飛にしないと、制約に負けない新たなアイディアは生まれませんからね。

 一例では、クリスマス限定のかき氷のように、見た目や味に季節感を取り入れることで、消費者に新しい体験を提供できます。

 実際、冬場に温かいスイーツと合わせてかき氷を楽しむといった提案が支持を集めるケースもあります。逆に、夏場のスキー場では、涼しい高原を利用した「避暑地としての楽しみ方」を訴求することで、新たな顧客層を取り込むことができます。

 また、的屋の事例を考えると、地元のお祭りだけに頼らず、出店の機会を拡大することが可能です。

 たとえば、キッチンカーを活用すれば、都市部のランチタイムやアウトドアイベントなど、さまざまな場面で出店できます。

 また、近年では地方創生や地域イベントへの参加が注目されており、的屋のノウハウを活用した「移動型の地域活性化プロジェクト」を展開することも考えられます。このように、移動や場所の柔軟性を活かすことで、的屋は季節や地域に縛られない収益モデルを構築できます。

新規事業を立ち上げずとも
収入の柱は増やせる

 ちなみに、私自身の事業について事例をあげつつ少しだけお話しすると、コンサルティング事業のかたわら、研修事業をやっています。