毎年4月から6月は研修の需要が減少します。というのも、多くの企業は、その時期は新入社員研修が中心なんですね。新人を鍛えているので、他の社員は置いてきぼりになります。新人教育に特化した研修会社はいくらでもありますから、私たちの会社は暇になってしまいます。

 そこで、私たちは「新人の迎え入れ準備を進めるセミナー」を開催しました。これが大ヒット。研修にもそれに適した季節がありますが、逆利用することも重要ですね。

 話を戻します。

 さらにスキー場の取り組みから学べるのは、「資産の有効活用」の考え方です。スキー場の場合、雪がない夏場にはその広大な敷地をアクティビティの場として利用しています。

 この考え方は、他のビジネスにも応用できます。

 たとえば、レストランやカフェが通常の営業時間外にスペースをレンタルすることで、新たな収益源を生み出すことが可能です。オフィススペースをシェアリングオフィスとして活用するような事例も、このアプローチの一例といえます。

 あらためて重要なのは、既存のビジネスを「どうやって拡張できるか」「どのように新しい価値を提供できるか」を考える柔軟性です。季節限定という制約を逆に利用し、期間外の需要を掘り起こす努力を続ければ、ビジネスは持続的に成長できます。

 また、最後に、これはどの事業にも共通することなのですが、顧客の声を聞き続けることが鍵です。

 お客が的屋に何を求めているのか、かき氷屋でどんな味や形を楽しんでいるのか、スキー場の利用者が夏場に何を期待しているのか。これを知ることで、より適切なサービスを提供し、新たなファンを獲得できるのです。

 常に新しいアイディアを試し、変化する市場に適応することで、季節ビジネスにも無限の可能性が広がるでしょう。