愛され実感を高めるには、待ちの姿勢ではなく、ときに自分から攻める姿勢も必要です。

 たとえば、身近な人に「私のどんなところが好き?」「私のいいところを教えて」と聞いてみるのはどうでしょう。職場でも「私は褒められて伸びるタイプなんです」と茶目っ気たっぷりに声をかけてみるのもひとつの手です。

 思いがけない褒め言葉に、「そんなところを見てくれていたんだ」とじんわりうれしくなるかもしれませんよ。

スキンシップを重ねれば
言葉以上の幸福感を得られる

「うさぎは寂しいと死んでしまう」と言われますが、それはむしろ人間のほうに言えるようです。

 それを示唆するのが、イスラエルのバルイラン大学のルース・フェルドマンが行った研究です。

 フェルドマンは、9~34カ月の子どもを対象に、「食事に問題をかかえる子どもたち」「ほかの問題をかかえる子どもたち」「とくに問題のない子どもたち」の3グループに分け、母子の遊びや食事の様子を観察。ふれあいのパターンや反応、距離感などを詳細に記録しました。

 その結果、食事に問題をかかえる子どもたちは、母親からの愛情のあるふれあいが少なく、拒否的な反応をされるケースも散見されることがわかりました。

 愛情のあるスキンシップが少ない場合、子どもは食事に対して消極的になり、成長にも悪影響を及ぼす可能性が高いことがわかったのです。

 同じことは、大人にも言えます。愛情が感じられるスキンシップやアイコンタクトが少ないと、心が疲れ、食欲不振などの影響が出てくることも考えられます。

 日本人は、スキンシップの少ない国民性と言われます。夫婦やカップルでも、長年いっしょにいると、手をつないだり、キスやハグをしたりする機会は、少しずつ減っていくものです。

 でも、気恥ずかしさを少しだけ乗り越えて、手を握る、肩にふれる、そんな小さなぬくもりのやりとりが、ふたりの間の空気をやわらかくしてくれるかもしれません。