また、たとえば思春期の子どもとのコミュニケーションに悩んだときにも、小さいころのように背中をやさしくなでたり、ギュッと抱きしめたりすることで、言葉にはできない思いが、きちんと伝わることもあります。

 スキンシップは、ときに言葉以上に安心と愛情を届け、そしてまた自分にも相手にも静かな幸福感をもたらしてくれます。

ハグが恥ずかしい人は
ぬいぐるみを抱くだけでもOK

 スキンシップの相手は、とくに親しい人でなくてもかまいません。ビジネスの場で握手をするとか、友人の肩をぽんとたたく、といった軽い接触でも、安心感やつながりが生まれます。

 もちろん、相手の気持ちや関係性に配慮は必要ですが、ささやかなふれあいのなかには、言葉以上のメッセージがこもっているのです。

書影『くよくよしたら手を洗おう。』(内藤誼人、主婦の友社)『くよくよしたら手を洗おう。』(内藤誼人、主婦の友社)

 人とふれあうのが難しいときは、ぬいぐるみやクッション、やわらかい毛布をギュッと抱きしめるだけでもOK。実際、それだけでも、オキシトシンというホルモンが分泌され、心を落ち着かせたり、不安をやわらげたりする作用があるとされています。

 オキシトシンは、別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、スキンシップをすると自然と分泌が高まることが知られています。

 心がちょっと疲れたとき、なんだか寂しいときには、ぬくもりに頼ってみましょう。

 ハグや手をつなぐようなやさしいスキンシップには、心の緊張をゆるめて「大丈夫」と感じさせてくれる、不思議な力があります。

「最近、ハグしていないかも?」と思ったら、ぜひ家族や恋人、友人をギュッとハグしてみてください。

 心がふわっと温かくなるのを感じられるはずです。