ベースのスカイラインに4ドア設定しかなかったのでGT-Rも初期は4ドアでしたが、1970年にスカイラインに2ドアモデルが設定されると、GT-Rも2ドアのみとなりました。ハコスカGT-Rの生産台数は2029台でした。

 1972年9月、スカイラインはフルモデルチェンジを受けて4代目に移行。4代目の愛称は「ケンメリ」。これはスカイラインのCMコピーが「ケンとメリーのスカイライン」であったことに由来します。

 ケンメリ・スカイラインにGT-Rが設定されるのは1973年1月です。ケンメリには当初から2ドアモデルがあったので、GT-Rも2ドア設定。搭載エンジンはハコスカと同じですが、レギュラーガソリン仕様の155馬力エンジンもありました。

 このケンメリ・スカイラインが、歴代スカイラインで最もヒットしたモデルです。1972年9月~77年8月の5年間で約66万台も売り上げています。一方、GT-Rは197台しか生産されませんでした。当時、世界的に自動車の排ガス規制が厳しくなり、日本でも73年にいっそう強化されました。また、同年10月には第四次中東戦争が勃発し、石油ショックが到来。クルマにとっては不運な時代の始まりでした。

1970_2HT_2000GT-R_KPGC101970_2HT_2000GT-R_KPGC10 Photo:NISSAN 
kenmeriKENMERI Photo:NISSAN 

◆直列6気筒2.6リットルツインターボ時代

 4代目ケンメリ後、スカイラインにGT-Rが再設定されるのは8代目まで長引くことになります。その間、「RS」や「GTS-R」といった「R」が付いたモデルは存在しましたが、GT-Rというネーミングは使われませんでした。

 GT-Rが再登場したのは、ケンメリGT-R消滅から16年ぶりとなる1989年。8代目スカイラインは「超感覚スカイライン」というニックネームがつけられましたが浸透せず、型式のR32から取った「サンニイ」で呼ばれることがほとんどです。