<支援活動>
● インフラストラクチャ 全国の販売拠点の99%がフランチャイズ加盟店であり、フランチャイズオーナーへの継続的な支援を通じて、地域特性に合わせた細やかなサービス対応を可能にしています。
● 人事・労務管理 社員の採用、育成、評価、報酬制度を充実させ、少ない従業員数(269人〈2024年12月末時点〉)で、1000店舗を超えるチェーン体制を維持しています。
このように見ると、バリューチェーンの各プロセスが、「選ぶ楽しさ」を中心とした「手の届く非日常」を演出するために緻密に組み上げられていることが分かります。1974年日本上陸以来、ライバルが移り変わる中、着々とノウハウを積み重ねて来たであろうことは想像に難くありません。
No.1を維持し続けるキーワード
「ダイナミックケイパビリティ」とは?
サーティワンの成長は、単なるヒット商品や流行による一時的なものではありません。
同社の強みは、変化の激しい市場においても持続的な競争優位を確保する「ダイナミックケイパビリティ」、すなわち「変化を感知し、機会を掴み、自らを変革し続ける能力」を実践している点にもあります。

この考え方は、カリフォルニア大学バークレー校のデイヴィッド・J・ティース教授が提唱したもので、以下の3つのステップで構成されます。

● 感知(Sensing)――兆しを見逃さない
サーティワンは、消費者の嗜好の変化や行動様式の微細な変化を見逃しません。
例えば、コロナ禍においては、外出自粛や接触機会の減少に伴い、「おうち時間の充実」や「非接触での購買」といったニーズが高まる兆しをいち早く察知しました。
● 捕捉(Seizing)――機会をものにする
そうした兆しを捉えた上で、サーティワンは新しい取り組みを打ち出しています。
コロナ禍で感知したニーズに対し、顧客が自宅でもサーティワンの「楽しさ」を享受できるよう、デリバリーを拡大したり、モバイルオーダーを導入したりしました。