ふたを開けてみると…
立ち居振る舞いも素晴らしい

 界隈の情報に少し詳しい人なら事前情報で山田さんが相当な使い手であるらしいことは知っていたが、そうでない多数の人にとって山田さんは完全に異分子然としていた。「本当にアイドルが参加するの?」「大丈夫なのか」と不安がる声がゲーマーファン側界隈からよく聞こえてきていた。

 そしてふたを開けてみると、山田さんは問答無用でゲームがうまく、ゲームが純粋に好きであることが伝わってきて、かつ謙虚で出しゃばらず控えめで、ゲーマーファンはすっかり感心させられた。「男性アイドル」と聞くと無条件でちょっと敬遠したくなる私ですら、山田さんの立ち振る舞いには惚れ惚れしたものである。

 山田さんのファンも素晴らしかった。ファン同士が呼びかけあって、推しが後ろ指をさされないように・推しの活動の足を引っ張らないように、「あちら側の界隈では私たちお行儀良くしていましょう」と示し合わせたのである。

 そして相当数のファンがいたであろうに彼らは自治的に本当にお行儀良くしたまま大会は幕を閉じた。そのファンの様子にゲーマー側界隈はもう一度感心した。あれほど見事な、波風の立たない「お邪魔します」はそうそうお目にかかれない。

 最近はファンの暴走によってイベントが中止になる事態がいくつか起きている。イデオロギーや世間全体の品性は時とともに変遷していくので山田さんのファンが4年前と変わらず同じ塩梅なのかはわからないが(活動の幅が広がることでファンの母数も増えるだろうからコントロールはなお難しくなる)、あの4年前のファンの挙動を可能にした山田さんの人柄なら、ひょっとしたら今回も結構うまくやってくれるのではないか、と期待せずにはいられないのであった。

 プロゲーマーという肩書が増えることで、これまでのアイドルとしての仕事・出番が減るのではないかと従来ファンから心配されている。実質的には減るだろうが、しかしたとえば舞台のようにひとつの案件に対して数カ月にわたって拘束されるというものではなく、その日一日参加するゲームイベントの機会が増えるくらいのものでないかと思われる。