好きなタイミングで
有給休暇を取ってOK

 一般的には、6月下旬から8月中旬ぐらいまでのどこかで夏休みを取得し、そしてクリスマスとその後に数日間の冬休みを取得します。これ以外には、例えば2月には学校のスキー休みがありますが、日本のようなゴールデンウィークやシルバーウィークなどはなく、国が定めた祝日も実は少ないので、好きな時に有給休暇を取って休むようになっています。

祖父母のサマーコテージ同書より 拡大画像表示

 休暇は管理職も取る上に、しかも「今日から旅行に行くのが楽しみ!」といったように堂々と休暇をアピールするのも普通なので、部下も休みやすい環境です。そして夏の休暇の醍醐味、サマーコテージライフをほとんどの人が同じように経験します。

 そのため、フィンランドのCEOたちはICTスキルがトップクラスというだけではなく、サバイバルナイフ1本で生きていける人もいるという特徴があります。もちろん経営者の中には365日24時間休みなく、スタンバイの人もいますが、休むのが申し訳ないと思っている人はいないし、その発想すらないと思います。

 しかし1人当たりのGDP(国内総生産)は日本の1.5倍と、幸福と経済が両立していることがわかります。また、ウェルビーイングを感じている、幸福度が高い人材がいると(そうでない社員と比べて)、創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%高い上に、欠勤率が41%、離職率が59%低く、業務上の事故が70%少ないことが明らかになっています(*3)。

 人生は会社のためのものではないし、休暇を取るのは仕事のパフォーマンスを上げるために取るものでもなく自分のためのものですが、社員のウェルビーイングを大切にする企業こそが将来成功する確率を上げられると思っていいでしょう。

(*3)Lifehacker Japan「幸せな社員は創造性が3倍、生産性は31%、売上は37%高い」
https://www.lifehacker.jp/article/245162great_place_to_work/