その理由は、日本人の場合、休んでいるつもりの時間ですら本人の気持ちではちゃんと休めていないと感じているからだと私は考えています。
なお、休みが多いことで有名なドイツの労働時間は1341時間で、日本よりさらに266時間も短くなっています。1日8時間労働として計算すると、ドイツは日本よりも年間でおよそ33日も多く休んでいるのです。
それなのに、2023年、日本はドイツにGDPで抜かれています。これはいかに日本が非効率的な働き方をしているかという一例を示しています。
まとめると、こうなります。
・OECD加盟国の平均からみると、日本は意外に多く休みをとっている国でもある
・しかしたくさん休んでいるという実感は当の日本人にはない
・日本はドイツに比べると、やはり働きすぎている
・日本人はドイツ人に比べて生産性の低い働き方をしている
日本人がいつも
疲れている理由
こうしたデータを見ていくと、「日本人は本当に休み下手なんだな」ということがよくわかります。
これは私自身の感覚ですが、今の日本人は一晩休養をとっても、翌日50%程度しか回復できていないという印象があります。
たくさん休んでいるという実感が多くの日本人にないというのも、回復が十分にできていない証拠といってもいいでしょう。半分程度しか疲労から回復できていないまま、翌日の仕事に臨んでいるからこそ、休んだ感覚がないし、たくさん働かされていると感じているのです。
現在の私たちの休養のとり方をわかりやすくいえば、こうなります。
活動→疲労→休養
「活動→疲労→休養」の3つをグルグル回っているようなものです。
私たちは職場に行ったり自宅にとどまったりして、仕事や家事、育児などの活動をします(=活動)。これらの活動をすれば、当然、その活動によって疲れます(=疲労)。疲れたら休みます(=休養)。そして翌日の活動へとつながっていきます。
しかし、この3つをくりかえしているだけでは、疲労からの回復は半分程度しかできません。寝たり体を休めたりするだけでは疲労からの回復が不十分だからです。