
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1199人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名! 上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#19では、非鉄金属業界の報酬ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
半導体や核融合など成長領域に積極投資!
非鉄金属の「グローバル・ニッチトップ」がずらり
日本勢が得意とする製造業は、自動車などの最終製品だけでなく、部素材の分野でもグローバルでプレゼンスを発揮している。その一つが銅やアルミニウムといった非鉄金属業界だ。
国内人口減少やトランプ関税といった逆風が吹く中、非鉄金属各社は半導体や核融合といった成長領域に投資することで、事業構造の転換を図っている(核融合分野に参入する企業については、特集『地上の太陽 核融合新時代』の#2『三菱重工、日立、古河電工…独自技術を持つ「核融合銘柄」22社を厳選、IPOで“大化け必至”の伏兵も!』参照)。
非鉄金属業界では、特定の領域で世界シェア上位を誇る「グローバル・ニッチトップ」も少なくない。ポートフォリオの転換に成功し、会社を成長に導いていれば、経営陣がそれ相応の報酬を受け取っていても、株主から不満の声は上がらないだろう。
では、非鉄金属業界で「年収1億円以上」の経営幹部はどんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。
本特集では、高収入を単純に批判する狙いはない。次ページのランキングには、年収額と併せてPBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
非鉄金属業界で年収1億円以上の経営幹部のランキングを作成したところ、自動車や情報通信など幅広い業界を支える「ある財閥系大手企業」の会長と社長が“ワンツーフィニッシュ”を飾っていることが明らかになった。いったいどこだろうか。
今年プライム上場を果たしたJX金属の幹部がどれくらいの報酬を受け取っているのかも気になるところだ(JX金属の上場については、『JX金属社長が「元親会社のENEOSが当社の株を持つメリットはない」と断言!上場後のM&A戦略も解説』参照)。
次ページでは、非鉄金属業界で年収1億円以上の役員の実名と報酬額を一挙に見ていこう。