「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名! 上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング#16

日本の上場企業には、年収1億円以上のビジネスパーソンが実に1199人存在する。果たして、どんな顔触れなのだろうか。ダイヤモンド編集部は上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査し、実名で業界別の報酬ランキングを作成。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名! 上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#16では、銀行業界の報酬ランキングを掲載した。その結果、空前の好業績が続く中にあっても、銀行業界の役員報酬の水準は意外なほど抑えられていることが明らかになった。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

銀行業界で年収1億円以上は46人
空前の好業績でも幹部報酬は抑制的

 銀行業界は今、金利上昇と旺盛な資金需要を追い風に、わが世の春を謳歌している。

 2026年3月期には、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が通期純利益2兆円の大台を初めて見込む。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は1兆3000億円、みずほフィナンシャルグループ(FG)も当初予想の9400億円を1兆0200億円へと上方修正した。第1四半期の進捗率はMUFGが27%、三井住友FGが29%、みずほFGが28%。3メガバンクがそろって年間1兆円超の純利益を達成し、過去最高益を更新する見通しだ。

 そんな銀行業界で、年収1億円以上の経営幹部はどの程度いるのか。

 ダイヤモンド編集部は、会長や社長に限らず役員全体を対象に、年収1億円以上の高額報酬を得ている人物を業界別に集計した。1社に複数の該当者がいる場合も含む。

 本特集は高収入を批判する狙いはない。ランキングでは年収額に加え、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額を併記し、成果に見合った報酬かどうかを検証できる表にまとめた。

 調査の結果、銀行業界で年収1億円以上の経営幹部は46人いることが分かった。人数自体は多く見えるが、報酬水準を他業界と比べると意外な事実が浮かび上がる。後述するが、全上場企業の平均や海外の金融機関と比べても決して高くはなく、同じ金融セクターでも証券業界の経営陣に比べればむしろ低水準だ。

 銀行業界のトップや幹部たちは、どれほどの報酬を得ているのか。業績好調な金融グループの報酬実態を、全上場企業や証券業界の水準と照らし合わせながら次ページで明らかにする。