地上の太陽 核融合新時代#2Photo:ITER Organization

核融合エネルギー開発では、海外勢がまねできない突出した技術を持つ日本企業が少なくない。新規上場で“大化け”する可能性を秘めるスタートアップや中小企業も存在する。特集『地上の太陽 核融合新時代』の#2では、そんな「核融合銘柄」を公開し、核融合開発の業界勢力図を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

「50年後のエネルギー」がついに実現?
日系企業が核融合開発をリード

「50年後のエネルギー」といわれ続けた核融合技術。それが今、ついに現実のものとなろうとしている。

 多国間プロジェクトである国際熱核融合実験炉(ITER)をはじめ、日米欧など世界中で核融合炉の研究が急ピッチで進んでいる。トカマク、ヘリカル、レーザーなど、各発電方式の進捗に差はあるものの、2030~40年代には各地で核融合発電が実現するとみられているのだ。開発に携わる大手上場企業やスタートアップの関係者たちは、「50年までには、フュージョン(核融合)エネルギーが火力や原子力に取って代わる」と自信をのぞかせる。

 そうなれば、エネルギー業界のみならず、重工業や素材など、幅広い分野で「核融合ビジネス」が沸騰するのは確実だ。既に数多くの企業が将来のニーズを察知し、布石を打ち始めている。

 その中には、ITERに協力して製品を納入するなど、他社に先んじて実績を積み上げている企業もある。核融合エネルギー開発では、海外勢がまねできない突出した技術を持つ日本企業が少なくないのだ。核融合エネルギーが商用化される頃には、そういった会社が“大化け”していることもあり得る。

 では、いったいどんな企業が核融合業界の“成長株”なのだろうか。

 次ページでは、国内の核融合業界勢力図を明らかにするとともに、ダイヤモンド編集部が厳選した「核融合銘柄」22社をお届けする。このリストには、大手プライム企業だけでなく、上場企業のグループ会社や、非上場のスタートアップも含まれている。急騰が期待できるのは、どんな銘柄だろうか。