
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1199人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名! 上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#17では、ガラス・土石業界の報酬ランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)
ガラス・土石業界は年収1億円以上が15人!
最大手のAGCは巨額赤字で役員報酬が減少
ガラス業界は主な用途である建築や自動車向けの需要に依存するボラティリティの高いビジネスで、近年は事業の多角化が各社の課題になっている。だが、多角化は簡単ではないようだ。例えば、板ガラスで世界トップシェアのAGCは2024年12月期、バイオ医薬事業で巨額損失を計上し、過去最大の940億円の赤字を計上した。
そんなガラス・土石業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
集計の結果、ガラス・土石業界で「年収1億円以上」は15人いることが判明した。全業界の平均が38.7人だから、少ないといえる。トップの年収は1.87億円だった。
AGC、日本特殊陶業、TOTO、日本ガイシといった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。