
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1199人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3890社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『「最新版」1億円以上稼ぐ取締役1199人の実名! 上場3890社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#21では、保険業界の報酬ランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部副編集長 藤田章夫)
保険業界は年収1億円以上が10人!
SOMPOの“ドン”不在後の序列に異変はあるか?
ビッグモーター問題や保険料の調整行為、いわゆるカルテル問題を受けて構造改革の真っただ中にある保険業界。その一方で、保険業界の2024年度の業績は好調で、とりわけ政策株の売却を金融当局から迫られた損害保険業界に至っては、過去最高益を2期連続で更新した。
大手3グループである東京海上ホールディングス(HD)とSOMPOホールディングス(HD)、MS&ADホールディングス(HD)の連結純利益の合計は、実に前年比47%増の約2兆1700億円。その過半が政策株の売却益とはいえ、かなり高い水準だ。
そんな、保険業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。
また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
保険業界で年収1億円以上の経営幹部のランキングを作成したところ、その総数は10人となった。トップラインが1兆円を超える会社が複数ある保険業界においてその数は意外に少ないが、そこには業界特有の事情がある。
また、業界随一の高給取りとして知られ、ビッグモーター問題で表舞台を去ることになったSOMPO HDの“ドン”なき今、報酬ランキングに異変はあるのか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。







