好かれる人とは、いったいどんな人なのだろうか写真はイメージです Photo:PIXTA

「嫌われたくない」という一心で、自分の短所を隠し、何者かになろうとし、常にポジティブであろうとしていないだろうか?だが、自分を押し殺してまで好かれようとする生き方は、心をすり減らすだけ。むしろ、100人中99人に嫌われるような生き方の人が、かえって人から愛されていたりする。好かれる人とは、いったいどんな人なのだろうか?※本稿は、河田真誠『自由に生きる練習 ブッダに学んだ“とらわれない”考え方』(総合法令出版)の一部を抜粋・編集したものです。

毎日の地味な生活に
本当のかっこよさが隠れている

「何者かになりたい」と思う気持ちは、よくわかる。

 僕もかつては同じように考えていた。ロックスターや革命家のような存在に憧れ、自分も特別な何かになりたいと願っていた。

 だから、大学に入ったばかりの頃、電車の中で疲れ切った表情をした仕事帰りのおじさんを見て、「このままでは、あの人のようになってしまうかもしれない…」と焦りを感じ、大学をやめた。

 しかし、48歳になった今、あの頃とは違う視点を持つようになった。

 18歳の僕が電車で見た「クタクタに疲れたおじさん」を、今ではかっこいいと感じる。若い頃の僕は「何も失うものがない人」をかっこいいと思っていた。けれど、今は「守るものがある人」のほうが、ずっと強くてかっこいいと感じる。

 自分がどれだけ疲れていても、家族のように守りたいと思える存在がいることは、とても幸せなことだ。

 そんな覚悟を持って生きている人に対して、「かっこ悪い」なんて、決して言えない。