あのおじさんは、有名ではないし、周囲から特別な存在として評価されることもないかもしれない。
それでも、家族にとってはきっとヒーローだろうし、本人も自分の役割を全うしているという誇りを持っていたかもしれない。
世界は、名も無きヒーローたちによって支えられている。
それぞれが覚悟を持ち、自分に与えられた役割を果たしているからこそ、社会は成り立っている。有名かどうか、評価されるかどうかなんて、大した問題ではない。
それよりも、「自分は覚悟を持って生きている」「恥ずかしくない生き方ができている」と思えるかどうかが重要だ。それができているなら、それだけで十分に「何者か」になれているのではないだろうか。
99人から嫌われる勇気を持てば
自分を愛してくれる1人と出会える
「誰にも嫌われたくない」「みんなから好かれたい」と考えすぎると、次第に自分を失ってしまう。
例えば、ここにいる100人全員がイヤがらない飲み物を選ぶなら、「水」しかないだろう。水なら、誰からも拒まれることはないが、特別に好きだという人も少ない。
しかし、100人のうち99人に嫌われても構わないと思えるなら、ワインを選ぶこともできる。ワインなら「愛している」と感じる人がいるはずだ。
このように、周囲の顔色ばかり気にすると、誰からも嫌われることはないかもしれないが、個性がなくなってしまい、強く愛されることもなくなる。
誰かに深く愛されるということは、同時に誰かからは嫌われることでもある。
本当の自分が「黒」だとしよう。しかし、自信が持てなかったり、自分を好きになれなかったりすると、周囲の期待に合わせて「白」を演じてしまう。これが「嫌われない生き方」だ。だが、黒を隠しても白にはなれず、その仮面はいずれ剥がれる。