「情弱(情報弱者)」の人たちは、昔も今もたくさんいる。

 たとえばSNSで、闇バイトであることを隠した募集に、あっさりと騙されて応募してしまうような人たち。アルバイトの相場からすれば明らかに不自然な高額報酬、匿名性の高いアプリのインストールの強要など、「あやしい」とわかりそうなものだが、美味しい話にすぐ飛びついてしまう人は後を絶たない。どうすれば騙されないのか、正しい知識と判断力を持つべきだ。

 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に反対する「反ワクチン(反ワク)」派の人たちも、情弱だ。せっかくワクチンが開発されたのだ。自分の予防のために、罹患したときの症状を軽くするために、あるいは社会的免疫を獲得して不自由なマスク生活から解放されるためにも、ワクチンは接種すべきだ。

 しかし僕がそういう主張を発信すると、反ワク派から「ホリエモンはバカ」だの、「ワクチンを打ったホリエモン、死ぬかもね」などと、ネット上で絡まれる。反ワク派は、もはや特定の宗教を強固に信じる人たちのようだ。

社会で役立つ「本当の教養」は
学校教育では身につかない

 詐欺や誤情報に騙されず、正しい判断をするための知識や教養は必要だ。

 だが、それは学校教育など経由しなくても身につけることができる。というより、学校では身につかない。

 なぜ多くの人が、危険な犯罪である「闇バイト」を募集するSNSの投稿を見て、応募してしまうのか。「新型コロナのワクチンの副反応で死ぬ」などと言い張るのか。

 それは子どもの頃から、学校で「わからないこと」「難しいこと」「めんどくさいこと」に出合ったとき、多くの人が「とりあえず先生の言う通り」にしてきたからだ。学校では、「偉い人が言っていることが一番正しい」と教え込まされてきた。

 そのため自分にとってよくわからない話に出くわすと、自分の頭で考えようとせず、医学博士や謎の協会の会長など、広告塔となっている「偉い人」の言うことを妄信してしまう。