軋轢が生じても長期的に見れば
必ず時代が追いついてくると確信
名刺のWEB受注やITシステムの導入など、アナログの世界だった山櫻にデジタル化を進め、新しい風を会社に吹かせてきました。しかし、祖父だけでなく、社員からも「あいつは何を始めるつもりなんだ」と冷ややかな目を向けられることもありました。
もともと名刺は印刷会社を通して企業に販売する流れでしたが、2001年からインターネットで直接受注するサービスを開始。すると企業から問い合わせが殺到しました。しかし、事業構造を転換することで、印刷業界向けの営業部門とは軋轢(あつれき)が生じたりもしました。それでも続けてこられたのは、長期的に見れば必ず時代が追いついてくると確信していたから。
そしてそれが実際にそうなってきました。オンラインで名刺の発注ができる、クラウド名刺管理サービス「COREZO(コレッソ)」も立ち上げ当初はなかなか社内の理解を得られませんでしたが、20年以上の実績を持つ、山櫻の事業の大きな柱のひとつになっています。
そして私たち山櫻は2031年に創業100周年を控えていることもあり、このクラウド名刺管理サービスを25年7月に「NAMEROOM(ネイムルーム)」へとリブランディングしました。このサービスは紙の名刺とデジタル名刺を一元管理できる“ハイブリッド名刺”のクラウドサービスです。
紙の老舗である山櫻がこうしたデジタルの取り組みにチャレンジしていくことにこそ、面白みがあると感じています。名刺というのは昔から現在に至るまで、自分自身を売り込むためのツールであり続けてきました。
つまり、名刺はビジネスパーソンにとって、大きな武器となるものです。だからこそ、私たちはこれからも「紙×デジタル」の力で、ビジネスパーソンが自分らしくアピールできる仕組みを提供し続けていきたいと考えています。
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>>【第2回】「会議で即バレ!「40代で成長しなくなる人」と「成果を出し続ける人」の決定的な違い」は10月2日(木)に配信予定です
過去に大きな実績がある人や役職に就いている人でも、これからも成果を出し続けるとは限りません。老舗の紙製品メーカー・山櫻で構造改革を進めた市瀬社長に、「成果を出し続ける人の特徴」について聞きました。