
私立大学の最難関群である「早慶上理」の現役実進学率が高い中高一貫校はどこか。大学合格実績は既卒生も含めた「延べ合格者数」が使われるのが一般的だが、この場合、既卒生や一部の優秀な生徒が合格者数を稼ぐケースもある。そこで本特集では大学通信の調査を基に、実際に重複なしで何パーセントの生徒が現役でどの大学群に進学したかが分かる「現役実進学率ランキング」を作成した。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾 2026年入試直前版』の#5では「早慶上理」への現役実進学率ランキングを公開する。ランキングには御三家から偏差値50前後まで幅広い学校が登場する。「東京一科+早慶上理」の現役実進学率や、各大学への現役実進学者数など詳細データも付けたので学校選びの参考にしてほしい。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
「重複なし&現役」の早慶上理・現役実進学率
偏差値50前後の学校も上位にランクイン
「何が何でも東大や医学部」ではないが、「わが子には早慶レベルに進学してほしい」という意見は珍しくない。いいか悪いかは別にして、就職活動において「早慶以上」の学歴かどうかで明確な差があるからだ。
では、私立大学最難関グループ「早慶上理(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学)」に進学できる中高一貫校はどこなのか。
実は多くのメディアで公表される大学合格実績は「延べ合格者数」が使われるのが一般的だ。「延べ合格者数」の場合、既卒生も含まれ、1人の受験生が複数大学や、同じ大学の複数学部に合格すると重複カウントする。
極端なケースでは、優秀な生徒が難関大の合格者数を稼ぐことで、対外的に「見栄え」が良くなっているケースもある。保護者としては、実際に何人の生徒が「現役」でどの大学に「進学」したかを知りたいだろう。
そこで大学通信の協力を得て、最新のデータに基づき、「重複なし&現役」でどの大学群に進学したかを示す「現役実進学率ランキング」を作成した。
今回は「早慶上理」の「現役実進学率ランキング・中高一貫校269校」を掲載する。参考データとして「東京一科(東京大学、京都大学、一橋大学、東京科学大学)+早慶上理」の数値も掲載した。
詳しくは次ページで解説するが、「早慶上理の現役実進学率」の上位30校のうち16校が女子校となった。また、42位までの高校は早慶上理に「重複なし&現役」で20%以上が進学している。
中学受験の超難関校が並ぶ「東京一科」とは異なり、御三家から偏差値40台(日能研偏差値)まで幅広い学校がランクインしている。中堅校狙いの家庭には、進学実績という視点でお得な学校を探すのにも役立つはずだ。
ランキングには大学群だけでなく、どの大学に何人が進学したかについての詳細データも付けた。学校内で、どの「位置」にいれば「現役で合格」に届くのかが分かるので、わが子の志望校選びにも参考にしてほしい。