![保険大激変 損保の構造的課題が生保にも飛び火!#2](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/650/img_f0797d4e1df3696c911385398e9364f0291419.jpg)
「医療保険」は、病気やけがの治療費を保障する生命本保険商品だ。生保各社の“主戦場”であり、毎年のように新商品の投入やリニューアルが図られているため、商品選びには最新情報の更新が不可欠となる。そこで、特集『保険大激変』の#2では、保険のプロ30人が厳選した最新の医療保険ランキングとその特徴をお届けする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
医療現場の変化に合わせた保障が得られる
新商品やリニューアル商品が人気
個人向けの生命保険の種類別新規契約件数において、トップの医療保険は346万件(2023年。生命保険協会)と2位の終身保険の181万件(同)を大きく上回る。そんな主戦場故に、生保各社はライバル商品を出し抜こうと毎年のように新商品の投入や商品改定で、しのぎを削っている。現に、今年の保険のプロが選ぶ医療保険ランキングでも、リニューアルで保障を充実させた商品がランクインした。
まずはランキングを見る前に、近年の商品のトレンドを押さえておこう。なぜなら治療の変化を踏まえた本当に必要な保障内容が見えてくるからだ。
厚生労働省の「患者調査」(23年)によれば、平均入院日数はほぼ一貫して短期化し、1990年の約47日から23年の約29日に激減、ついに30日の大台を下回った。また14日以内の入院は約68%を占め、6カ月を超える長期入院はわずか1%強にとどまる。つまり入院から通院による治療へとシフトしているのだ。
かつて医療保険の基本的な保障といえば、「入院日数×日額5000円」といった日額の入院給付金を軸に設計されていた。しかし、前述の医療現場の変化を踏まえると、新商品の多くは「1日の入院でも入院5日までは一律5日分を給付」など、1日でも入院すれば手厚い一時金が支払われるタイプが主流となっている。
加えて、治療期間が長期になりがちで治療費の負担も大きい三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)や、そこに糖尿病などを加えた八大疾病、さらには6カ月以上の長期入院の割合が約20%を占める精神疾患への保障を充実させた商品が人気を集めている。また国内未承認の医薬品といった保険診療にない医療を患者からの申し出によって保険外併用できる、「患者申出療養」を保障する商品も近年のトレンドだ。
現在契約している医療保険が、大昔に契約した日系大手生保各社の医療保障特約などの時代遅れの商品ならば、保険料はもちろん保障も大きく見劣りすることがほとんどなので、見直しすることをお勧めする。
そこで次ページでは、保険のプロ30人が選び抜いた医療保険のベスト&ワースト商品ランキングを公開。それだけでなく、ベスト3商品の保障スペックや保険料の比較表も掲載するので、商品選びの参考にしてほしい。