保険大激変 損保の構造的課題が生保にも飛び火!#15Photo:RunPhoto/gettyimages

昨今の株高で運用環境が好転したことと、NISA(少額投資非課税制度)のスタートで人々の意識が貯蓄から投資へ向いたことを契機に、にわかに注目が高まっている変額保険。保険会社も新商品を投入するなど積極的に販売を進めているが、保険のプロの間では推奨派と否定派の真っ二つに分かれる商品でもある。そこで特集『保険大激変』の#15では、保険ジャーナリストの森田直子氏を含む保険のプロ4人に、変額保険について徹底議論してもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫、構成/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

森田直子氏:保険ジャーナリスト。インスウォッチ代表取締役
田中さん(男性、仮名):生命保険業界に30年以上在籍。ファイナンシャルプランナー。変額保険中立派
加藤さん(女性、仮名):ファイナンシャルプランナーとして20年以上の経験を有する。変額保険推奨派
中村さん(男性、仮名):ファイナンシャルプランナーとして25年以上の経験を有する。変額保険否定派

保険のプロの間で分かれるスタンス
激論!変額保険「推進派vs否定派」

森田 変額保険に注目が集まっています。3人はファイナンシャルプランナーとして、またそのうちお2人は保険募集人としても保険商品を提案していると思いますが、変額保険の売れ行きはどうでしょうか。

加藤 この2~3年、毎月1件以上売れています。コンスタントに売れています。私は変額推奨派で、以前からソニー生命保険の変額個人年金を推奨してきました。売れていることに加えて、変額保険を発売する生保が増えてきましたので、説明しやすくなりました。ソニー生命の変額個人年金保険「SOVANI(ソバニ)」がよく売れている印象です。

田中 私も変額保険に対する人々の反応は良くなっていると思います。長期投資を希望するなら終身タイプ、貯金代わりならソニー生命のソバニを提案することが多いですね。

森田 中村さんは変額保険には否定的なスタンスでしたよね。

中村 はい、私は変額保険は“買ってはいけない商品”、保険会社も“作るべきではない商品”だと思っています。

なぜ変額保険は、保険のプロの間で見方が分かれるのか。両派にはそれぞれ言い分がある。次ページでお互いの見解をぶつけ合ってもらうとともに、「自分が入るならどの商品か」「またその商品を選ぶ際のポイントは何か」を語ってもらった。