正しい学びは仕事にも
良い影響を与えるもの

 また、どれだけ好きなことを学んで満足していても、日中の仕事がいやで仕方がなかったり、成果が上がらずに職場で肩身の狭い思いをしていたり、そのせいで健康を害したりするのなら、その人はやはり「望ましい学び」を知らないのではないでしょうか?

「学びと仕事は別物」と言い切ってしまうのは簡単です。

 しかし、「働く大人の学び」に正面から向き合うのであれば、やはりその学びが仕事のパフォーマンスにつながっているかどうかにも、目を配るべきだと思います。

 学びを継続することで、その人が職場でなんらかの成果を発揮できているのだとすれば、こんなにすばらしいことはありません。

 そこで私たちは、次の2条件を満たすものを「望ましい学び行動」と定義しました。

(1)その学びが、本人の「幸せ」に寄与するか?
(2)その学びが、本人の「活躍」に寄与するか?

「幸せ/活躍」のどちらかを犠牲にする学びは不十分です。

 仕事をそっちのけにして、個人的な興味だけを追いかける学びにせよ、本人の満足感を犠牲にして、ただ仕事に役立てることだけを目指した学びにせよ、そんな学びには「持続性がない」からです。

「学べない大人」にならないためには、やはり幸せと活躍の両方が必要なのです。

幸せに活躍する人に
共通する5つの秘訣

 2000名を対象にした私たちのリサーチでは、本人の「幸せ」と「活躍」をそれぞれ自己評価で回答してもらいました。

 すると、それぞれのスコアが「平均より上」か「平均より下」かの組み合わせに応じて、次のような4つのグループをつくることができます[図表2-1]。

図表2-1 本書における「望ましい学び」とは?同書より転載 拡大画像表示