競合は、日産「サクラ」?

F:なるほど。車幅1700mm以下という日本の小型車規格は、今や世界的に見れば極めて特殊ということですね。航続距離はどうでしょう。軽でEVとなると、やはり日産サクラのWLTC 180km※が基準になるのでしょうか。まずは日産サクラ超えの200km。こんなところが目標になりますか。

※WLTCモード:世界統一試験サイクルで、Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycleの略。「市街地」「郊外」「高速道路」の3モードを総合した燃費となっているほか、各モードの燃費も併記される。2018年以降、JC08に代わり表示が義務づけられるようになった。

東:具体的な数字はまだ申し上げられませんが、おっしゃるとおりサクラの180kmは一つの指標になりますね。そこに対してどう仕上げていくか、いまはテストと詰めを重ねている段階です。

日産の軽EV「サクラ」日産の軽EV「サクラ」(広報写真)

F:競合の顔ぶれはどうでしょう。サクラに加えて、ホンダ N-VAN e:、そして発表済みのN-ONE e:もあります。BYDの軽の立ち位置は、どの辺りに据えるおつもりですか。

東:EVとしての比較軸では、やはりサクラがベンチマークの一つです。N-VAN e:も当然意識しています。N-ONE e:は発表されていますが、価格はまだ出ていないので何とも言えません(インタビュー時点)。いずれにせよ、日本の軽ユーザーが現実に使う場面の中でどう説得力を持たせるか、そこに照準を合わせています。

BYDの軽EV、価格はどうなるのか

F:軽自動車はそれこそ「5000円の差」で他社へ流れてしまう世界です。そこで勝負できる“戦略的価格”を打ち出すおつもりですか?

東:具体的な価格は申し上げられませんが、まあ、お楽しみに(笑)。