作業着のシニア男性写真はイメージです Photo:PIXTA

ミドルシニア世代にとって避けられない「ポストオフ」という現実。役職を失うことで給与や影響力の減少は避けられないが、重責からの解放や新たな挑戦の機会も生まれる。定年後シニアの働く目的から見えてくる、人生後半戦のキャリア設計のヒントとは──。※本稿は、坂本貴志・松雄 茂著『再雇用という働き方 ミドルシニアのキャリア戦略』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

ポストオフの前後で
最も大きな変化とは

 ミドルシニア期におけるポストオフという環境変化。役職を降りることによって立場や目標、手当など、さまざまなものを失う。その代わりに得られるものはあるのだろうか。ポストオフされた人たちは、実際に何を感じているのか。ポストオフによって失ったもの、得たものは何か。

 リクルートマネジメントソリューションズによるアンケート「ポストオフ経験に関する意識調査」を見ていこう。図表3-10は、現在の仕事における、ポストオフ前と比較したときの変化についての回答である。

図表3-10:ポストオフ後の変化同書より転載 拡大画像表示

 最も多かったのは「賃金」(82.8%)だった。続いて「周囲からの期待」(56.1%)、そして「仕事量.労働時間」(52.9%)、「人事評価」(51.2%)と続く。