シニア期の小さな仕事は
健康維持も期待できる
この結果を見てもわかるように、現役時代のように高い給与が欲しいというわけではないが、高齢期もある程度の仕事をして、それなりの稼ぎを得たいという人が多い。
この調査は、2016年、2018年、2021年にも実施されている。「生計の維持のため」という項目は、2016年は36.5%だったが、2023年は41.9%まで上昇している。現代においては年金の給付水準が厳しくなっている。

また、寿命も伸びているので、シニアになってもある程度は稼がなくてはいけないという意識もあるのだと思われる。
また2位の「健康維持のため」、4位の「社会とのつながりを得るため」、7位の「暇な時間をつぶすため」という項目からは、現実問題として仕事をしないと健康を維持できない、ひきこもりになってしまう、社会とのつながりがなくなってしまう、時間を持て余してしまう、といった不安やリスクがあることがわかる。
そういう意味では、ミドルシニア期の経験を経て「小さな仕事」に移行していく中で、心身の健康を保っているという側面も大きいのだと考えられる。
現役時代のようにがむしゃらに働きたいと考えているわけではないが、仕事がないとそれはそれで困る。お金に関してはもちろん、社会的なつながりや健康面を考えても、ある程度の仕事を無理なくこなしていきたい。このように考えている人が多いのだろう。