東:もちろん一概に比較はできませんが、あの国は新しい物好き、という感覚もあるのでしょうね。ASEAN諸国に行くと、今度は政策と需要の層が効いてきます。例えばインドネシア。政府や地方自治体が購入の優遇措置や充電インフラの整備を積極的に進めています。さらに新しいモノに積極的なニューリッチ層がぶ厚く、価格と実用の合理性が背中をドンと押す。
その結果「とりあえず買ってみよう」が発生する。オーストラリアと同じく、ブランドの国籍より実利が優先される空気が強い。
F:なるほど。東南アジアやオーストラリアは、「まず使う」が先、と。対して日本は「まず納得」が先に来なければいけない。ではこれから日本でどうやって市場を広げていくおつもりですか?
長澤まさみ効果で、ブランド認知20%→50%に
東:「納得」していただくためには、まず知ってもらわなければいけません。議論ではなく事実を積むというのが我々の基本姿勢です。コミュニケーションで言えば、昨年から長澤まさみさんをCMに起用しています。
F:それ見ました。「ありかも」というCMですね。長澤まさみさん、かわいいですよね。
長澤まさみさん出演のブランドCM
東:はい。あの広告は非常に効果的でした。CMを流す前はブランド認知が20%だったのですが、一気に50%近くまで跳ね上がりました。
F:スミマセン。ブランド認知とは……?
東:そもそもそのブランドを知っているか、聞いたことがあるか、ということです。
F:ということは、長澤まさみ前は8割もの人がBYDという名前を「何それ?聞いたこともないわ」、と……。
東:そういうことになりますね。それがCM後は半数の人が、「ああ、あれね」に変わっていった。