ビジネスシーンでは、会議やブレーンストーミング、研修といった創造性や生産性が求められる場で、全体の進行や舵取りを行うことが多いかと思います。
ファシリテーターは調整役であり、議論を深めて「共創」を生み出すことが目的なので、意見やアイデアに対して良し悪しをジャッジしたり、独断で結論を出したりすることはありません。あくまで「メンバーが主体的に考え、行動できるような環境づくり」に注力します。
こうしたマインドをリーダーシップと結びつけることで、メンバー全員の能力を引き出し、チームワークの最大化を目指すのが、僕の考える「ファシリテーター型リーダーシップ」です。
六太はこのファシリテーティブな関わり方がとても上手で、本人に自覚がないにもかかわらず、さまざまなシーンで自然とファシリテーターの役割を果たしています。
それでも、六太が周囲から「頼りになるリーダー」と認識されていることは、なかなかありません。僕は、それでよいのだと思っています。先に立つことだけが、リーダーの姿ではないからです。
“頼りない”リーダーが上にいると
不思議と物事が円滑に進む
支援・促進を得意とするファシリテーター型リーダーシップですが、あくまで概念であり、そのアプローチの在り方は状況によって多岐に渡ります。
そこで具体的なシチュエーションに当てはめながら解説していきたいと思います。よりイメージしやすいよう、ふたつの人物像を設定してみました。
それが「賢者風」と「愚者風」です。
賢者風とは、いわゆる優等生タイプ。頭脳明晰で決断力に長け、先頭に立ってみんなを引っ張りながらチームをまとめていきます。自我や信念、使命感・正義感が強く、周囲の人たちからもそのように「優秀な人物」として評価されているでしょう。
「リーダーとはこうあるべき」という明確な観念があるので、その理想像に自分を寄せていくために惜しみない努力をします。チームのメンバーにとっては頼りがいがあり、とても心強い存在です。







