・感情をため込まず、吐き出す行為によるカタルシス

・言語化による気持ちの整理(日記に近い)

・共感のフィードバックが得られる可能性→共同体の形成→孤立からの脱却or社会問題を含む内容であれば怒りや憤りの共有が社会運動につながるケースも(新たな生きがいの発見)

・社会的なサポートを受けられる可能性

 などが本人にとってのメリットである。無論「人が離れていくかも」「陰の気が新たな陰を呼ぶ可能性」といったデメリットはあるものの、一見100%後ろ向きに見えるネガティブな投稿でも、本人への恩恵はたしかにあるのがわかる。

意外に結構ある?
ネガティブ投稿の建設的な影響

 ネガティブな投稿に他人への建設的な影響はあるか。これも、改めて探してみると実は結構ある。

・共感のよろこび:似た苦境にいる同胞を発見するとうれしく、励まされる

・リスク回避:「A店の接客が芳しくなく残念だった」など、それを避けたい人にとっての有益な情報となる

・情報の多面性の確保:ポジ情報ばかりに偏らずネガ情報とあわせて見ることで、全体像がより正確に描かれる

・「問題提起→社会運動→改善」で世の中が住みよくなる可能性:大きなところでは#MeToo運動など。企業の不祥事の炎上がこの流れを生むこともある

・正義に基づく怒りを共有して道徳的な連帯感が高まる/倫理観が維持される(「正義」が暴走して排他的になると危険)

 ネガティブ要素を含まなければ得られない建設的効果もあったりするので、見た目よりは仕事をしているのが、ネガティブ投稿である。

 ただし、実際はそう簡単ではない。ネガティブ投稿は有害な要素を帯びやすく、建設的たらしめるためには書き手が有害要素を取り除くか極限まで薄めて整える必要がある。