「夫は今までなかった、仕事終わりに同僚や後輩と飲みに出かけることが増えました。週末もその同僚や後輩と出かけると言って朝に家を出て、深夜に帰ってくるようになりました。そして娘から『お姉ちゃんとパパと弟と出かけて、ぬいぐるみを買ってもらったことがある』と言われました。いつのことかはわかりませんが、何度も確認しましたが勘違いではなさそうでした。スマホにロックをかけるようになったり、スマートウォッチのリストバンドも替えたり、最新のスマホを購入した形跡の空箱も見つかり、家では何もせず子どもにも関心を向けずごろごろしているだけ。夫は豹変してしまったんだと思いました」
ちらつく別の女性の影
子どもとの未来のために探偵に調査依頼
稔さんの突然の豹変と、信じがたい主張。しかし、その裏には、別の女性の影がちらつきます。美緒さんの胸には、提示された「モラハラによる離婚要求」という不当な主張への怒りと、真実を知りたいという切実な願いが入り混じっていました。
「今の家での生活は私だけではなく、子どもたちも精神的に限界です。とても手がかからない子たちだったのに、言うことを聞かなくなったり、奇声を発して泣き出すようになったり、よくない影響があるんだと思います。子どもたちと私だけで暮らせるよう、少しでも早く家を出たいんです。でも、このまま夫の言う通りになってしまったら、私と子どもたちの未来はどうなってしまうのかを考えると、不安に押しつぶされそうです」
私は、稔さんの行動の変化から不貞の可能性は高く、真実を突き止めることが、美緒さんとお子さんの未来を救う唯一の道だと確信しました。
夫の不当な要求をはねのけ、親権や慰謝料、そして養育費をきちんと勝ち取るためには、不貞の証拠こそが何よりも決定的な武器となるのです。
私はすぐさま、稔さんの尾行調査をすることにしました。
夫婦が面と向かって会話することはなくなりましたが、メッセージアプリで最低限のやり取りはありました。美緒さんは心を強く持ち、平静を装って稔さんの予定を聞き出してくれました。







