「準備しない」ことで緊張しなくなる

私個人の話で恐縮ですが、お悩み相談やインタビューを受ける際、ライターさんが事前に「こういう内容を聞きます」と資料を送ってくださることがあります。

しかし、実は私はこれにほとんど目を通していません。なぜなら、目を通すと「これにはこう答えよう」と準備をしてしまうからです。

そうすると、本番で緊張してしまい、「あれ、何を言おうとしたんだっけ」と思い出しながら喋ることになり、準備した以下のことしか話せなくなることがあります。

準備しないからこそ「ダイナミズム」が生まれる

しかし、全く準備せず「まあ、何とかなるさ」という気持ち(もちろん場数を踏んできた経験もありますが)で臨み、質問をその場で初めて読んで考えると、かえって良い答えが出てくることが結構あります。

準備をしていないからこそ、頭の中に「こう答えるべき」という偏見(先入観)がないのです。まっさらな状態で、その場で対応することが、良いダイナミズムを生むのだと思います。

以前はしっかり準備しすぎて「ちゃんと答えられるかな」「これを言い忘れないかな」と考え、案の定言い忘れたりしていましたが、準備を(しすぎ)ないようにしてから、そういうこともなくなりました。

準備はほどほどに

ですから、「準備をすると不安になる」ということを前提に、準備はほどほどにすることが大切です。

「これだけはやらなければならない」という明確なことだけをやり、それ以外の曖昧な準備はするのをやめてみてはいかがでしょうか。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。