20mmの差は死ぬほど大きい
F:とても速くてレスポンスが良いですよね。朝4時に湾岸道路を千葉から横浜まで飛ばしてきたのですが、本当に加速が良くて気持ちがいい。高速巡航も快適です。あの道は割と路面がバンピーで、飛ばすとヒヤッとする場所が何カ所かあるのですが、そんなシーンでもしっかり“いなし”てくれる。今回は高速道路主体で、あいにく林道などへ行く機会がなかったのですが、本来はオフロード向きのクルマなんですよね、フォレスターは。
只:はい。フォレスターは正統派のSUVです。ですから、ちゃんと悪路も走れるように造ってあります。例えば最低地上高は220mmと大きくキッチリ取ってある。これは他社さんの同じクラスのSUVと比べてもかなり大きい数字です。大抵は190mmとか、せいぜい200mm程度ですよね。フォレスターはこの220mmにずっとこだわって、代々継承しているんです。
F:他社は190mmから200mm。フォレスターとはわずか2センチの差ですよね。あんまり変わらないような気もするのですが、その差はそんなにデカいものですか?
只:とんでもない!(怖い顔)ものすごくデカいです。この差はもう、死ぬほど大きいんですよ。段差を乗り越えるときにお腹をこすらないとか、突き出た岩に当たらないとか、悪路に行くと、この20mmの差で走破性に大きな差が出てきます。もちろんクロスカントリー系のクルマなど、上を見ればキリがありませんが、やっぱり最低地上高の差というのは大きいんですよ。
フォレスターの主戦場はアメリカ、月販1万5000台
F:フォレスターの主戦場はやはり北米になりますよね。スバルの売上の、およそ7割が北米と聞いています。
只:そうですね。北米、というか7割がアメリカです。アメリカではだいたい月に1万5000台ほど売れています。
F:月販1万5000台!そんなに……翻って日本では……?
只:日本でもおかげさまでとても評判が良くて、売上は順調です。ものすごく順調なんですが、それでも登録台数で言うと月に2500~3000台ぐらい。アメリカと比較すると地味な数字に見えてしまいます。やっぱりアメリカとは市場規模が全然違うんですよね。
F:恐るべしアメリカ市場。トランプさんがどんなにムチャを言ってきても、やっぱりアメリカは外せませんね。
只:そうですね。アメリカは日本の5倍から6倍程度。時期によっては10倍近い差が付いてしまうこともある。そんな規模です。そこで戦うのですから、やはり多くのお客様に向けた商品にならないといけません。トヨタさんのRAV4やホンダさんのCR-Vをしっかり睨みながら、我々は開発に当たっています。







