ライバルはRAV4、CR-V、そしてエクイノックス
F:ライバルはズバリ、RAV4とCR-Vですか?
只:フォレスターはアメリカで「コンパクトSUV」というカテゴリーに入ります。意識しているのは同じ量販帯のSUVで言うと、RAV4とCR-V。それからアメリカブランドで言えばシボレーのエクイノックスです。この3車種が、コンパクトSUVカテゴリーのトップ3です。
F:エクイノックス。あんまり聞いたことがないなぁ。
只:フルサイズピックアップのシルバラードに次いで売れているシボレーの看板車種です。日本には入っていませんが、むこうでは結構な人気です。中国でもオセアニアでも売られています。1位がRAV4、2位がCR-V、そして3位がエクイノックス。アメリカではこの順番で売れています。
Toyota RAV4:35万8134台
Honda CR-V:30万7501台
Chevrolet Equinox:22万8668台(Equinox EVは別集計で2万7749台)
Subaru Forester:13万3037台
F:フォレスターは月に1万5000台も売れているのに、トップ3には入れない。
只:残念ながら。それだけ市場規模が大きいということです。
「日本だけウケれば良いという考えは微塵もない」
F:フォレスターの7割がアメリカで売られていて、その数は実に1万5000台。すると必然的にアメリカ人にウケるクルマづくりをすることになりますね。言いにくいことでしょうが、日本では「まあ好きな人が買ってくださいな」という感じになるのでしょうか。
只:それは明確にノーです。フォレスターはスバルの中で「グローバルカー」の位置付けです。日本はもちろん、世界中で売れなければいけません。アメリカの市場が大きいから、アメリカだけでウケれば良いや、という考えは微塵(みじん)もありません。いま向こうで高く評価されているのも、グローバルカーとして開発したクルマがアメリカの市場でも通用したのだな、と我々は考えています。市場の規模が違うとはいえ、日本でもかなりまとまった台数が出ているのは同じ理由で、方針を変えずに開発したからだろうと思っています。
もちろん、何か足りないものがあればアジャストする必要はありますが、今回は大きく変えなければいけないところはなかった、ということですね。
Photo by A.T.
クルマに厳しいアメリカで、実に月販1万5000台。RAV4には大きく水をあけられているとはいえ、会社の規模からすれば善戦しているといえましょう。
このお話は来週に続きます。それではみなさまごきげんよう。
(フェルディナント・ヤマグチ)







