子どもが興味・関心を持ち、自分なりの視点で試行錯誤し、理解していく。そして、それが知識・スキルとなっていく。その知識・スキルは、次の学びにつながっていく。

 このサイクルが回り続けることで、学びは発展していきます。

 たとえば、自宅で子どもがプラレールで遊んでいるとします。

1 意欲:「曲がったレールと直線のレールを組み合わせて一周するようにしたい!」と思い、取り組み始める

2 思考力:試行錯誤しながら、ぴったり一周できたり、うまくはまらなかったり、ぴったりではないけど無理やりはめ込んだりする

3 知識・スキル:ぴったり一周できるケースとそうでないケースに何らかの法則性を見出す

 この知識・スキルは次の学びの土台となります。「次は使うレールを変えてやってみたいな」という次の意欲につながったり、より深い試行錯誤や思考を自然とするようになります。また、実際の線路や道路に関心を持つなど、ぐるぐると学びが発展していくのです。

 他にも、プラレールで遊び尽くして、「ぴったりはまる」ことに向けて存分に試行錯誤していると、「公倍数」「無理数」という概念と出会ったとき(学校で紹介されたとき)、その概念が自然としっくりきてストンと自分の中に落とし込まれる、という体験が起きることもあります。

 これは、プラレールで遊んだかどうか、ということよりも、意欲を持って存分に遊び尽くした、ということのほうが重要です。

 つまり、「考えることが楽しい」という体験は、意欲、思考力、知識・スキル、それぞれに良い影響を与え、結果として「学ぶ力」にもつながるのです。

 こうした学びのサイクルは、暗記や単なる反復のみの知識・スキルの習得と比較するまでもなく、その子にとって価値ある学びになります。