ストレスを減らすことが
社会を生き抜く秘訣

 インナーピースって何だろう?訳せば「内なる平和」になるわけだけれど、それってどういうことだろう?ピース・オブ・マインドという言葉に置き換えられることもある。

 さまざまな哲学者やグル(指導者)たちの口から、平和で落ち着いた心の状態、安定してバランスの取れたあり方、満足や受容などといった言葉を使って説明されてきた。

 要はこの人生という難行を、ポジティブで美しいものとして楽しみ、慈しみながら過ごしていくために、自分の中に持っておきたい平和な場所。

 世の中でどんな動乱が起きていても、どれだけ辛いことがあろうとも、立ち帰ることができる、自分の中の静かで平和な場所を作っておこうということなのだろう。

 パニックに陥りそうになった時、将来や人生に、不安や恐怖を持った時、辛い時、呼吸を戻したり、頭をクリアにしたりできる想像の場所。

 ここまで読んで、「この人スピっちゃってるなあ」と思う人もいるかもしれない。私もそういう偏見を持っていたことがあった。

 が、生きているといろんなことが起きる。ストレスの原因はいくらでもある。ストレスはじわじわと人を殺す。そして生きている限り、ストレスをなくすということは不可能である。

 だから、この面倒な人生というものをできるだけ痛みなく、健全な気持ちで生きていくためのサバイバルツールなのだと理解できるようになった。

考え方を変えるだけで
苦手なことが楽しくなった

 忙しくなると忘れがちだけれど、出会えて良かったと思うもののひとつに瞑想がある。

 日々、ガシャガシャと動き続ける頭の中を「無」の状態にすることの難しさを学び、同時に、それがもたらす恩恵に気がつくようになった。

 子どもの頃、何度か禅寺に連れて行かれたことがある。ぐらっとした人が叩かれる光景は恐怖でしかなく、瞑想というものは辛いものなのだと思い込んでしまった。

 が、大人になって、平和な空気をまとう瞑想の実践者たちに出会い、やってみては挫折する、を繰り返してきた。