書きたい時には何ページ書いてもよいし、どんなに大きな字で殴り書きしてもよいし、絵やイラスト入りで描いてもよい。とにかくスッキリするまで書くことがコツです。それから、このノートは決して誰にも見せないこと。もちろんセラピストにもです。(中略)そして、はじめは「吐き出しノート」に過ぎなかったものが、次第に、豊かな内容も現れるようになってきて、最終的には内省のための大切なツールに変わっていきます。
(引用:『「普通がいい」という病』P120)

 世界的ベストセラーとなった『死ぬ瞬間』の著者であり、精神科医であるエリザベス・キューブラー=ロスもネガティブな感情を露わにすることを大切にしていました。

 なぜならロスは、たくさんの人たちの看取りの経験から学んでいた。自分の裡なる怒りの感情を外に出してしまわない限り、ありのままの自分を受け入れることなどできない、と。他人を騙せても、自分を騙すことはできない。
(引用:『死生学1 死生学とは何か』P204)

GLAYは感情のリセットのために
タイアップ一切なしのアルバムを作る

 音楽の世界でも「まっさらになるために、吐き出す」ことをしている人がいます。1994年のメジャーデビュー以降、CDセールス、ライブ動員数など、数々の金字塔を打ち立てているロックバンド「GLAY」のリーダーのTAKUROさんです。

 契約や締め切りに追われるようになってからは、メンバーに“あるリクエスト”をしていると話しています。

 ただ、何年かに一回、GLAYの場合は必ず、そういったタイアップだとかそういったことと全く関係ない、本当にみんなが心から思ってるような音楽を出してくれって、他のメンバーにはオーダーしますよ。アニメのタイアップだからどうだとか、映画だからどうだとかでない、まっさらな曲をくださいと。次のアルバムはそれでやりたいっていう。それを何年かに一回必ずやります。それができなかったら、自分でやっちゃいます。次のアルバムは俺、作詞作曲全部やりますって宣言しちゃいますよ。
(引用:『CONVERSATION PIECE ロックン・ロールを巡る10の対話』P21~22)