このようにどんな仕事をしているかにかかわらず「感情を吐き出す」「リセットする」と、本音を磨き上げることができると考えられています。

職場での終わりを意識すると
ネガティブを吐き出しやすくなる

 とはいえ、「ネガティブな感情を言葉にしてみましょう!」と言われても戸惑ってしまうことがよくあります。

 そこで注目してほしいのが“小さなネガティブ感情”です。

 仕事の中でイラッとしたこと、納得いかないこと、悲しくなったこと、寂しい思いをしたこと。職場で感じる「小さなネガティブ感情」とその理由を書き出してみてください。

書影『脱 会社辞めたいループ』(佐野創太、サンマーク出版)『脱 会社辞めたいループ』(佐野創太、サンマーク出版)

 ちなみになぜ「ネガティブ感情成仏ノート」ではなく「退職成仏ノート」と名付けているかというと、退職という言葉で「終わりを意識する」ことにより、ネガティブな感情を吐き出しやすくなるからです。

 退職の日を想像することは今の職場での最後を想像することです。

 最後を意識することの重要性はライターの稲垣麻由美氏が著書の中で、レジリエンス外来の清水研氏の言葉としてこのように述べています。

「人は、人生の最期を意識すると、人生の未解決な課題に取り組もうとする生き物である」。これは、清水先生の言葉だ。
(引用:『人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話』P6)

「自分が退職する、つまりこの職場で過ごす時間に終わりがあるとしたら、どんな本音に気づけるだろうか」

 そんなふうに自分の心に問いかけてみてください。