むしろ、ビタミンDがもたらす健康効果は非常に大きく、骨の強化だけでなく、免疫力の向上や生活習慣病の予防、さらにはアンチエイジングにも関与していることが近年の研究で示されています。

 日々の生活の中で、晴れた日は積極的に外へ出て散歩をする、ベランダで日光を浴びるといったシンプルな行動を習慣づけるだけでも、ビタミンDの生成には十分効果があります。過度に日焼けを恐れすぎず、適度に太陽の光とつきあうことが、健康な体と若々しさを保つための鍵と言えるでしょう。

笑って過ごせば免疫力アップ!?
笑顔が健康に与える影響とは

 感情を表す代表的な行動として、多くの人がまず思い浮かべるのが「泣くこと」と「笑うこと」ではないでしょうか。たとえば、感動的な映画やドラマを観て涙を流したり、家族や友人と食事をしながら会話に花を咲かせて大いに笑ったり。どちらの行為もストレスの解消に効果的ですが、実は自律神経に与える影響はまったく異なります。

「泣く」という行為は、交感神経を活性化させます。交感神経が優位になると、心拍数や呼吸が速くなり、体は一時的に緊張状態に入ります。これは、感動や悲しみといった強い感情を処理するために必要な反応でもあります。

 一方で、「笑う」ことは副交感神経を刺激し、体をリラックスモードに導いてくれます。副交感神経が優位な状態では、心拍が安定し、呼吸もゆったりとし、心身ともに落ち着きます。

 この違いを活かすなら、たとえば1日の終わり、寝る前にテレビを見るときには、感動ドラマよりもお笑い番組を選ぶのがおすすめです。笑うことで副交感神経が働き、よりスムーズに眠りにつきやすくなるからです。眠る前のひとときを心地よく過ごすには、体を緊張させる涙より、笑いによるリラックスが効果的なのです。

 さらに、副交感神経が優位なとき、体内では免疫に関わるリンパ球の割合が増えることが知られています。これは、リラックスしている状態の方がウイルスなどに感染しやすくなるため、体があらかじめ免疫機能を強化し、外敵に備えているからです。つまり、笑うことによって副交感神経が刺激され、結果的に免疫力が高まるというわけです。