もちろん、日常生活のなかで常に笑って過ごすのは簡単なことではありません。しかし、興味深い実験結果として、「作り笑い」でも免疫機能にポジティブな影響があることが報告されています。実際におかしくなくても、口角を上げて笑顔を作るだけで、脳や体は「笑っている」と認識し、免疫細胞の働きが活性化するのです。

カフェインだけじゃない
体にうれしいコーヒーの成分

 眠気を覚ましたいときや、疲れを感じたときにコーヒーを飲むと、気分がすっきりとします。これは、コーヒーに含まれる「カフェイン」によるリフレッシュ効果によるものです。

 人の脳内には「アデノシン」という物質があり、それが「アデノシン受容体」と結びつくことで、私たちは疲労や眠気を感じます。しかし、カフェインが体内に入って血流に乗り脳に届くと、このアデノシン受容体に先回りして結合します。その結果、アデノシンが働けなくなり、脳は疲れや眠気を感じにくくなります。

 とはいえ、この効果を頻繁に頼りすぎるのは注意が必要です。カフェインをとり続けると体が慣れてしまい、同じようなリフレッシュ感を得るには、だんだん多くの量が必要になります。これはいわゆる「カフェイン依存」の状態で、不眠や神経過敏、頭痛などの症状を引き起こす可能性もあるため、ほどほどの摂取が大切です。

 一方、コーヒーにはカフェイン以外にも体にうれしい成分が含まれています。その代表的なものが「クロロゲン酸」です。クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち、体内の老化の原因とされる活性酸素を抑える働きがあります。これにより、細胞のダメージを防ぎ、若々しさを保つ効果が期待されています。

 また、クロロゲン酸は血糖値の急上昇を抑え、脂肪の蓄積も防ぐとされており、肥満や糖尿病の予防にも役立つと考えられています。そのため、健康志向の高い人々の間では、クロロゲン酸を含んだサプリメントも人気です。

 ただし、クロロゲン酸は水に溶けやすく、体内での効果が持続しにくいという性質があります。したがって、まとめて多くとるよりも、1日に何回かに分けてコーヒーを適量飲む方が、効果をより持続させることができます。