6割近くの人が、学んでいることを誰にも伝えない
『学びをやめない生き方入門』に掲載されたデータのうち、組織マネジメントや人事に携わる方にとって最も衝撃的なのは、「学びの秘匿化」についての分析ではないかと思います。
同書には、「学んでいる人の6割近くが、学んでいることを職場の誰にも伝えない」というデータが登場します。つまり、私たちには「せっかく学んでいるのに、それを周囲に伝えないまま隠そうとする傾向=学びの秘匿化」が見られるというわけです。
学生時代、テストの直前に「ヤバい……ぜんぜん勉強してないよ〜」などと言いながら、じつはちゃっかり勉強している――そんな「コソ勉」行動を取るクラスメートが教室には何人かいたはずです。そうした行動習慣が社会人になっても続いているのです。
組織にとって「学びの秘匿化(働く人のコソ勉)」は深刻です。
なぜなら、個々人の学びは、「上司が学んでいるかどうか」にかなり影響されるからです。
端的に言えば、「学ばない上司」のもとでは「学ばない部下」が育つし、「学ぶ上司」のところでは「学ぶ部下」が育ちます。
このとき、たとえ、上司に学びの習慣があっても、学んでいる姿を部下たちに見せようとしなければ、部下のなかに「学ぶ姿勢」はなかなか育たないでしょう。









