政治家や経営者として
活躍する卒業生たち

 学者では、大村のほか統計学者でオペレーションズ・リサーチの第一人者・伏見正則がOBだ。東大、南山大教授を歴任した。

 数学者でカナダ・クイーンズ大教授の由井典子がいる。由井は韮崎高校を経て津田塾大に進み、数学の研究者になった。

 政治家では、衆・参院議員を務め、民主党の野田内閣時代に党幹事長となった輿石東がいる。山梨県の小学校教員を務め、山梨県教職員組合執行委員長に就いたことをきっかけに、政治の世界に入った。

 中島克仁は立憲民主党所属の衆院議員(5選)だ。帝京大医学部卒の医師出身だ。父の中島真人も韮崎OBで、参院議員を2期務めたが、2008年に死去した。

 建設官僚出身で山梨県知事を務めた、横内正明が卒業生だ。

 韮崎市長は、現職(2014年11月から)の内藤久夫と、前任の横内公明(2006年~2014年)ともOBだ。公明は横内正明の弟だ。大柴邦彦は、24年11月の山梨県北杜市長選で初当選した。

 官僚では、文化庁長官のあと奈良国立博物館館長を務めた内田弘保がいた。山梨県教委教育長に就いた瀧田武彦、阿部邦彦もOBだ。

 地元の経済界では、山梨中央銀行の元頭取・進藤中(なかば)がいる。

 コピーライターの立岡ふじ美は、1995年に行われた「女性起業家ビジネスコンテスト」に「聞き書きによる誰にでもできる自分史制作」案件を応募し、国内外約2000人の中から唯一、合格した。

 元宝塚歌劇団雪組娘役の神麗華、声優、歌手の三沢紗千香らもOGだ。

 ジャーナリストの皆川豪志は、産経新聞記者を経て産経新聞出版社長を務めた。

 春風亭弁橋は落語家。柳本伊佐雄は彫刻家だ。

 トレイルランナーの山本健一(1979年生まれ)は、欧州の100マイルレースに出場、高位の成績を何度も収め、世界的な存在になっている。韮崎高校で山岳部、スキー部に所属し、信州大でもスキーに夢中になった。山梨県内の高校教員を務めていたが、2019年に職を辞し、プロマウンテンアスリートに転向した。(敬称略)

(フリージャーナリスト 猪熊建夫)