疲れ目対策には、作業環境の工夫も効果的です。暗い部屋で明るい画面を見ていると、視点を変えるたびに明暗の変化に対応しなければならず、目が疲れる原因になります。PC作業をするときは部屋の照明を十分に明るくしましょう。

眼精疲労に進行すると
さまざまな問題が……

 疲れ目を甘く見ていると、眼精疲労に進行していく恐れがあります。眼精疲労では、目がかすむ、目や目の奥が痛む、まぶしい、充血するなどの症状が出てきます。なるべく早い段階で対策をとることが大切です。

 もし眼精疲労になったら、PCやスマホの画面はなるべく見ないに越したことはありませんが、現代社会ではそうもいきません。適度な休息を取りながら、最低限にとどめることが大切です。

 眼精疲労は自律神経と密接に関係しています。自律神経の不調が眼精疲労の原因になるだけでなく、逆に目の酷使によって自律神経のバランスが崩れ、不眠、動悸(どうき)、頭痛、疲労感などの全身症状が現れることもあります。その結果、悪循環をもたらしてしまうのです。

 そのほかの眼精疲労の原因としては、度の合わない眼鏡の使用、白内障緑内障ドライアイなどの病気のほか、更年期障害感染症などもあります。

 眼精疲労を解消するには、原因を特定してそれに対処することが不可欠です。眼鏡が合わない場合は作り直し、目の疾患があるときはそれを治療します。

 日常生活では、過労や睡眠不足を避けてストレスの少ない生活を送りましょう。目の酷使が原因の場合、休養や睡眠に加えて、ストレッチでこりかたまった筋肉をほぐしたり、有酸素運動によって自律神経を整えたりすると効果が期待できます。

 眼精疲労に特効薬はありませんが、最近では眼精疲労対策をうたった点眼薬や内服薬が市販されています。休養や運動と組み合わせて使用するとよいでしょう。

前かがみでの作業は
首や背中に大きな負担が

 座って仕事をしている時間が長く、肩こり、頭痛、腰痛に悩んでいる人は、座る姿勢が悪いのかもしれません。よくあるのが、画面に近づこうとして前かがみの姿勢になったり、目線が上向きすぎたり下向きすぎたりするケースです。