すでに近視が進んでいても、環境やライフスタイルを変えることで、近視を改善したり進行を食い止めることができるのだ。目の寿命は70歳で、延ばせるかどうかは自分次第。“ちょっとした習慣”を取り入れるだけでも、立派な「視る投資」になるのだ。本稿は、平松 類『視る投資 世界中の研究機関で科学的に証明された脳活性化メソッド』(アチーブメント出版)の一部を抜粋・編集したものです。
「人の目の構造に向かない」
デジタル作業の事実
すでにかなり近視が進んでいる人の場合、「今さら何をしてもムダ」と諦めたくなるかもしれません。でもちょっと待ってください。環境やライフスタイルを変えることで、近視が改善した例も報告されています。
たとえば、「都会暮らしだった人が山間部に引っ越したら、近視が少し改善した」「事務職だった人が外回りの営業職になったら、近視が少し改善した」などの事例です。
もちろん、引っ越しや職場での異動や転職といった“人生の大改革”をおすすめしたいわけではありません。そこまで大規模ではない“ちょっとした習慣”を取り入れるだけでも、立派な「視る投資」になります。
率直に申し上げると、かなり進行している近視を元の状態に戻すのは、確かに難しいことです。
しかも近視には「かなり進んでいる人ほど、さらに進行しやすい」という厄介な性質があります。だからといって「目にいいこと」を一切習慣づけないままでは、さらに進んでしまいます。
近視に「今さら何をしてもムダ」と諦めるべき段階などありません。
この大原則を念頭に置いて、読み進めてください。
大人が近視の進行速度を遅らせたいとき。
「デジタル作業は、人の目の構造には本来向いていない」
衝撃的に聞こえるかもしれませんが、この事実を頭に刻み込んでほしいのです。そして危機意識を持ちながら過ごせるか、そうでないかで、明暗が分かれます。
「デジタル作業が人の目に不適な理由」の1つ目は、「本来、目は近見作業に適していない」という点です。