これは単なる満足度調査ではなく、選考やコンテンツなどの複数の接点を通じて、自社が“どう見られていたか”をスタイルの観点で把握するリサーチです。ここが非常に大切なポイントになることは、いうまでもありません。
未来のいい採用は
今の失敗から生まれる
もうひとつ大切なのが、自社が選ばれた理由/選ばれなかった理由を比較軸とともに整理するということです。
選ばれた理由には、既知の要素や自社の強みに関する再確認が多い一方、選ばれなかった理由には、伝わっていなかった価値や、比較軸のズレといった重要なヒントが含まれています。
選ばれなかった理由を把握せずして、「なぜ他社に負けたのか」は永遠にわかりません。
悪い結果の振り返りは、自分たちができなかったことを言語化する作業になりますから、どうしても気が進まないものでしょう。
しかし、「自社が選ばれなかった理由」を明らかにしないことには、「最終的に他社を選んだ求職者の、思考の軸」は永遠に知ることができません。悪い結果の振り返りには、次にいい結果を生むための大きなヒントが隠れているのです。
ですので、内定者インタビューとともに、できれば辞退者インタビューも行うことをお勧めします。
『これまでと同じ採用手法で大丈夫なのか?と悩んだときに読む 採用の新基準』(秋山 真、アスコム)
ターゲット分析で重要なのは、「情報のギャップを見つけること」です。
企業が発信したいと思っている内容と、求職者が本当に知りたいと感じている情報は、必ずしも一致しません。自分たちでは「丁寧に伝えたつもり」でも、候補者の心には届いていない――そんなズレが起きていることも少なくないのです。
だからこそ、「今、自社はどのように見られているのか」「ターゲットは何に価値を置き、どんな期待や不安を抱えているのか」という視点でギャップをとらえることが重要になります。
スタイルマッチ(編集部注/ビジネスプランや雰囲気ではなく、価値観が一致した採用)における“現在地の把握”につながるからです。
このギャップを正しく認識し、発信のあり方を見直していくことで、初めて“伝わる採用”が実現していくでしょう。







