そこで彼は子どもたちを助手にして、敷くタイルを渡してくれるよう頼んだ。子どもたちは熱心に取り組み始め、作業はあっという間に終わった。
オランダのある企業の経営陣は購買部門の組織再編成を実施しようとしたが、オランダでは、そのような変更は、従業員の利益を代表する中央労使協議会(CWC)の承認を得なければならず、同社のCWCはこの提案を真っ向から拒否した。一般的に、このような対立は法的措置によって解決されるが、経営陣はそうはせず、計画のどこが問題なのか具体的に説明するよう求めた。CWCは問題点を一覧にして提示した。
さて経営陣はどう反応したか?彼らはCWCに完全に同意したのだ。これは見せかけやごまかしなどではなかった。部門の運営をよりよくするという目標は同じだったし、CWCの見解が重視するに足るものだったからだ。
CWCの委員たちは驚きに言葉を失った。経営陣との闘争や対立に慣れ切っていた彼らは、経営陣の素直な好奇心という、非常にシンプルで非競争的な反応に驚いたのだった。ある簡単な問いかけによって、経営陣とCWCの意見が完全に一致していることがわかり、必要な変更がスムーズに実施されたのである。
共通の目的を設定すれば
敵を味方に変えることができる
共通の関心事を注意深く検討すれば、悪名高い敵でも味方に変えることができる。たとえば、私のフリップ思考(編集部注/物事の捉え方を反転させることで問題を解決し新しい可能性を開く思考法)のポッドキャストに出てもらった少女は、口が軽いあるクラスメートに怒り心頭だった。クラスの大勢の子が、打ち明けた秘密をたちまち皆に漏らされてしまっていた。私たちは、この状況を相談者にとってのプラスに転換することにした。
彼女は、自分がレズビアンであることをクラスにカミングアウトしようと決めていたが、クラスメートの各々に繰り返し説明して歩きたくはなかった。そこで彼女が、一度だけ、悪名高いゴシッパーに、もちろん「秘密」としてその話をすると、またたく間にクラス全員が知るところとなった。クラスメートたちは、この上なく好意的に受け止めてくれたと、彼女は報告している。







