(3) フリーコンサルとしてプラットフォームを活用
近年増えているのが、フリーコンサルとしてプラットフォームを活用し、案件を受注するスタイルです。
「個人コンサル」が営業からデリバリーまでを一貫して担うのに対し、営業はプラットフォームに任せ、主にデリバリー業務に特化する形態です。営業活動を自ら行う必要がないため、独立のハードルが低く、比較的手軽に始めやすい点が大きな魅力です。
ただし、いくつかの構造的なリスクも抱えています。
プラットフォーム上では多くのコンサルタントが同様の案件を取り合うため、どうしても価格競争に巻き込まれやすくなります。また、提供される案件の多くが実行支援や短期的な業務支援に偏りやすく、時間やスキルの「切り売り」となってしまいがちです。
スキルアップがなされない結果、数年後には自身のケイパビリティーが市場から求められなくなってしまうリスクもあります。
さらに、こうした働き方はプレイヤーとしての実行力が重視されるため、年齢やライフステージが変化した際に持続可能性に課題が生じやすくなります。特に、戦略的にキャリア設計をしないままこの形を続けてしまうと、いずれ「代替可能な人材」として扱われ、将来的な選択肢を狭めるリスクがあります。
プラットフォームを活用する場合も、中長期的に自分の専門性をどう高めていくかという視点を持つことが不可欠です。
コンサルファームに
所属し続けるメリットとは?
このように、個人での独立やファーム設立、プラットフォームを活用した業務委託など、近年のコンサルタントには多様な働き方の選択肢が広がっています。それぞれに自由度や収益性といった魅力がある一方で、営業・経営・キャリア戦略といった面で個人にかかる負荷やリスクも無視できません。
特に、専門性の深化や人材育成、長期的なキャリアの持続性といった観点では、独立する道では限界が生じる場面もあります。短期的な自由を得る代わりに、中長期的な成長機会や組織的な支援を手放すことになるためです。
こうした背景を踏まえると、コンサルティングファームにとどまることにも依然として大きな価値があることがわかります。特に、「ブランド力」「案件の獲得機会」「専門性を生かしたコラボレーション」「安定性」は、独立では得がたい要素です。







