大学入試2026【医科・歯科・薬科・看護44年間の偏差値推移】Photo:PIXTA

大学受験における人気で、歯学部と薬学部の立場が逆転しようとしている。医療の現場で、歯科医師については将来の不足が懸念されるようになっており、薬剤師は供給過剰になるという見通しが出ているからだ。連載『教育・受験 最前線』では、連載内特集『大学入試2026』を10回以上にわたってお届けする。第11回は医科大学、歯科大学、薬科大学、看護大学計47大学の44年間の入試偏差値の推移データを一挙掲載し、歯学部と薬学部それぞれの「勝ち組大学」「負け組大学」を明らかにした。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

歯学部と薬学部
受験人気の立場逆転

 医師、歯科医師、薬剤師、看護師を育成する大学・学部を目指す受験生の志望理由は、人々の健康を守ったり、命を救いたいという志に基づくものとともに、収入が高めで食いっぱぐれない職に就きたいという人生設計によるものが多い。

 中でも高収入の医師を育てる医学部は、学力トップ層の進学先として王道ルートで、受験者からの
定着している。対して、受験人気が転換期にあるのが歯学部と薬学部だ。

 歯学部は長年、高めの収入で食いっぱぐれない職に就きたいという志望理由を持つ受験生から敬遠され、人気が低迷してきた。「歯科医師過剰」の時代が続いて、稼げない職種という扱いを受けてきたのだ。一方で薬剤師は需要が多く、受験人気が高かった。

 しかしここにきて潮目が変わり、歯学部と薬学部は立場が逆転しそうだ。医療の現場で、歯科医師については将来の不足が懸念されるようになっており、薬剤師は供給過剰になるという見通しが出ているからだ。

 薬剤師は受験人気が下降してきているのに対し、歯学部は2026年度入試に向けた複数の模試で志願者数が前年を上回るようになった。

 直近の偏差値を18歳人口がピークだった1992年と比較すると、総じて医学部と薬学部は上昇し、歯学部は下落が目立った。ただ歯学部と薬学部について個別大学で見ると、それぞれ勝ち組と負け組がいる。

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