 Photo:PIXTA
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京都市の伝統女子中高一貫校、ノートルダム女学院と共学のノートルダム学院小学校が、同市の名門男子中高一貫校、洛星を運営するヴィアトール学園に事業譲渡されることが発表された。会見では両校共に「共学化」を否定したものの、関西の中学受験関係者の中には共学化を予想する者もいる。この事業譲渡によって将来的に京都の受験地図が大きく変わる可能性がある。連載『教育・受験 最前線』では、古都・京都で起きた中高一貫校の事業譲渡劇の行方を追う。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
洛星とノートルダム女学院は
同じ年に生まれたカトリック校
京都市の名門私立男子校、洛星を運営するヴィアトール学園が今月23日、来年度から同市の女子校、ノートルダム女学院と共学のノートルダム学院小学校を、事業譲渡を受けて運営することを明らかにした。
ノートルダム女学院は1952年に中学校を設立した伝統カトリック校だ。今年4月には定員割れが続く京都ノートルダム女子大学の閉学を発表しており、今回、同じく定員割れしていた中高と小学校も手放した格好だ。
方や、ヴィアトール学園が運営する洛星も同じ52年に中学校を開校したカトリック校で、2014年にノートルダム学院小から洛星中への「特別選抜枠」を設けるなど、以前からつながりが深かった。
 京都市北区の名門男子校、洛星の校舎 Photo:PIXTA
京都市北区の名門男子校、洛星の校舎 Photo:PIXTA
報道によれば、23日の記者会見で、ヴィアトール学園の島田眞路理事長は「(洛星、ノートルダム女学院双方の)共学化は考えていない」と断言。ノートルダム女学院側から大学の募集停止の決定後に事業譲渡の働きかけがあったという。
「洛星は『格』としては京都トップの男子校であり、存在感は想像以上に大きい。そのヴィアトール学園に事業者が変わるとなれば、ノートルダム女学院の生徒募集は27年入試以降、安心感が出てくるだろう」と見るのは、京都の中学受験塾関係者だ。
別の関西の中学受験塾関係者は、「両校の共学化の可能性について、中長期的に見れば、記者会見の言葉をそのまま額面通りに受け入れる中学受験関係者はそう多くはないだろう」と読む。なぜなのか?







