10代~40代前半をターゲットにしている

 まいばすけっとの1店舗あたりの1日の売上高は直近で約66万円。セブン-イレブン(69万2000円)に迫る水準でありながら、商品構成は全く異なる。

 小型スーパーとして2000年代に急拡大した「SHOP99」(後のローソンストア100)が価格訴求で一時期、成功したのに対し、まいばすけっとは生鮮食品において、品ぞろえ、値ごろ感、品質のバランスで支持を獲得した。

 加えて、イオンのプライベートブランド(PB)商品比率を約20%で訴求。最近では、実験店舗である仲町店ではPB比率を50%まで引き上げ、顧客行動を分析する試みも行われている。

まいばすけっと仲町台駅前南店まいばすけっと仲町台駅前南店 筆者撮影

 冷蔵庫替わりに来店するまいばすけっとは、東京都の消費者の動向にもフィットしている。2024年度「都民の消費生活に関する意識調査」でも「必要な食品を必要な時に必要な量だけ購入する」と約6割が答えていて、買い置きを控える傾向が顕著だ。

 加えて、まいばすけっとでは、ターゲットのしぼり込み、次なる顧客層であるMZ世代に焦点をあてている。

 MZ世代とは、1980代半ばから1990年代初頭に生まれた「M(ミレニアル)世代」と、1990年代後半から2010年の間に生まれた「Z世代」を指す。つまりM世代が30代~40代前半、Z世代が10代から20代後半の人々である。

 この層は、利便性と時短を重視し、店舗との心理的距離が近いことを好む傾向がある。

 そこで2024年度の家計調査の2世帯の25歳から34歳、35歳から44歳、いずれも65歳より購入頻度の高いものを抽出し、中でも来店頻度につながるものは何なのか、推察してみた。