橋田「川原さん、ちょっとカタリーナ先生を呼んでくれないか」
カタリーナは、歯に衣着せぬ物言いで相談者に愛のムチを入れる、ちょっと風変わりな社労士だ。A社の顧問社労士として、労務相談に乗っていた。
健康保険「傷病手当金」の支給要件
カタリーナ「こんにちは、今日はどんなご相談かしら?」

翌日、早速カタリーナがやってきた。橋田は川原が持っているスマートフォンの画像を見せ、事のいきさつを説明した。
橋田「これが事実だとしたら、傷病手当金は不正受給に当たるのではないかと思いまして。会社の責任も問われるのでは……」
カタリーナ「確かに気になるわね。でも、不正受給と決めつけるのは、まだ早いんじゃないかしら」
橋田「え?でも、働けないって言っていたのに……」
カタリーナ「健康保険の『傷病手当金』の支給要件をおさらいしておくと、業務外の病気やケガで療養のために労務不能であること、連続する3日を含み4日以上仕事を休んだこと、休業中に給与がもらえないこと、があるわね」
橋田「傷病手当金は、たしか結構な額がもらえますよね?」
カタリーナ「支給日以前1年間の平均標準報酬日額の3分の2が受け取れるから、平均月給30万円の場合、月あたり20万程度になるわ。労務不能の状態が続く場合、最長で1年6カ月間、しかも非課税で受け取れる給付金よ」







