日本用の軽ジムニーは湖西で、世界用の実用ジムニーはインドで造る
日本と世界で別方向に拡大していった”ジムニー需要を、スズキはどう整理したのか。答えはきわめて合理的、かつ大胆だった。
すなわち――。
「日本の軽ジムニー文化は湖西で守る」
「世界が求める実用ジムニーはインドで造る」
という“二本立て”である。
2023年1月、ニューデリー近郊で開かれた「オートエキスポ2023」。世界が待ち望んだジムニー5ドアが満を持して姿を現した。
このクルマはグルガオン工場専用生産モデルとして企画されており、インド国内だけでなく、輸出も前提とした“完全なるグローバル商品”として開発されていた。
ラダーフレーム、副変速機付きパートタイム4WD、前後リジッドアクスル――ジムニーのアイデンティティはそのままに、ホイールベースを大胆に340mmも延長し、3ドアでは実現し得なかった“日常性”を手に入れたのである。
いま眼の前に停まっているAD高橋氏のノマドも、インドのグルガオンで生産され、日本に“輸入”されてきた一台だ。
オドメーターはいまだ2桁台。生まれたてのジムニーが、日本の高速道路と一般道をどう走るのか――試乗記へと進もう。
ボディは赤で5速MT車
高橋ノマドのボディーカラーは赤である。ただでさえ目立つノマドで更に赤。否が応でも人の目を引く。通りがかりの人が無遠慮にスマホで撮影していく。
AD高橋氏のノマド Photo by A.T.







